いま、介護のしごとには、障がいを抱えた高齢者の「尊厳」と「自立」をサポートする生活支援の専門家としての役割が求められています。高齢社会がますます進み、介護を担う人材がますます必要とされている、という現状の中で、「専門的な介護」「質の高い介護」の実現を目指すために、記録映画の手法で、ケアの実践の場に学びを探す、映像教材づくりにトライしました。

よい介護を“どのようにして”実現するか

介護の現場では、様々な実践が積み重ねられ、よい介護によって高齢者の生活を変えうることが、多くの現場で示されています。
いま、その輪をもっと広げるために、“どのようにして”よいケアの実現に近づくのか、そのヒントを探ります。

新設の特別養護老人ホームの“最初の1年”を追う

今回、取材したのは、岐阜県で長らく高齢者介護事業に取り組んできた、総合ケアセンター・サンビレッジ(運営:社会福祉法人新生会)が、2012年に新設した特別養護老人ホーム。長年介護の質を追求し、専門的なケアの基本として「アセスメント」と「チームケア」を掲げるサンビレッジですが、新設の特養は、課題が山積みでスタート。ここからどのようにして専門的なケアの実現に向かっていくのか……。

現場から学ぶ

この映像は教材といっても、はじめから“正解”が分かっていて作ったわけではありません。特養の現場は試行錯誤の連続。でも試行錯誤を重ねながらも、一歩一歩進んでいく中に、いろんなヒントが見えてきます。映像は、ケアスタッフと一緒に課題を追いかけ、スタッフとケアの変化、そして利用者の変化を記録しました。

人材を育てる

新規採用スタッフが約半数を占める特養の現場で、新人、ベテラン、リーダー、管理職など様々な立場のスタッフが、どんなことを考え、どんな試みを重ねていくのでしょうか。介護を担う人材をどう育てていくか、互いにどう育ち合っていくか、そのプロセスに注目します。

付録冊子で映像の背景を掘り下げる

映像を勉強材料として活用するための参考に、まずは映像に登場したスタッフの皆さんに、映像を見て気づいたこと、考えたことを伺って冊子にまとめました。映像と合わせて、介護に携わる方々が自らの現場で、よいケア考える材料として、また実践のヒントとして、お役立てください。