本編は、在宅での介護が難しくなったため、短期間施設に入所して在宅復帰を目指す1人の利用者に注目し、自宅に戻るための課題解決に取り組む約1ヵ月半のケアの様子を追った記録映画です(全編90分)。
施設のスタッフたちはどんなケアをするのか? 利用者の生活はどのように変化するのか?
介護現場の空気を体感しながら、ご覧いただける作品です。

あらすじ

ケーススタディの主人公は、近澤さん(83歳)。

近澤さんは、脳出血で1ヵ月ほど入院したのち、奥さんのいる自宅に戻りましが、失語症や認知症の進行がみられ、在宅での介護が困難になりました。そこで、ケアマネジャーの勧めを受け、アセスメントを目的として短期間施設(特別養護老人ホーム)に入所し、再び在宅に戻る道を探ることになりました。

入所当初は、スタッフとの意思疎通もままならない近澤さん。
自分がどこにきたのかも分からない様子。
そこからケアが始まります。

食事、トイレ、睡眠、歩行やコミュニケーション、体調の変化などなど。スタッフは、近澤さんの生活のいろんな場面で観察を重ねながら、必要なケアを探っていきます。
日常生活に一番多く関わるのは、ヘルパー(ケアワーカー・介護職)たち。体調の変化や病気には、看護師や医師が役割を担い、コミュニケーションや歩行には、言語聴覚士や作業療法士などリハビリ専門職の力も発揮されます。
様々なケアにより、近澤さんは、徐々に明るい表情と落ち着いた暮らしを取り戻していきます。

自宅で近澤さんの介護をしていた奥さんが一番困っていたことは、夜間の頻尿。この問題にも、医療面と生活面のアプローチで改善を試みます。

退所が近づく頃、施設で掴んだケアのコツやヒントは、在宅サービスと家族に引き継がれていきます。

そして約1ヶ月半後、近澤さんは自宅に戻りました。

この作品は、およそこのような内容ですが、実際の成り行きを追っているので、いろいろなことが起こります。すこし脇道にそれることもありますが、介護の現場の雰囲気を感じながらご覧ください。